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用語集

金属屋根工事や板金工事では独特な用語が使われており、普段の生活では馴染みがなく意味が分かりにくいものが多くあります。そこでいくつかの用語について、解説を掲載します。
解説は、旧亜鉛鉄板会が発行しておりました『亜鉛鉄板』誌のVol.44 №5及びVol.45 №5より引用しております。執筆者はナガタニルーフシステムの永谷洋司氏です。記して感謝の意を表します。
なお、掲載にあたり省略等を行った箇所があります。

【た】

タイトフレーム

タイトフレームは折板と、折板を支える梁や母屋を接合するための金具の一種で、折板に加わる色々な荷重(自重、風、雪その他の荷重)を梁や母屋に伝える重要な機能を持つ部材です。
通常タイトフレームは、幅30~50mm 、厚さ2.3~4.5mm の帯鋼または、亜鉛鉄板を先の幅にシャーしたもので作られます。形状は、およそ富士山形をしていて、図のように1山ないし3山の連続したものとなっています。
部材にはリブを付け、強度をより大きくするための工夫がされています。

また、折板を止めつけるための固定ボルトをあらかじめタイトフレームに取り付け、施工の簡素化を計ったものもあります。この時の固定ボルトは径8~10mm 程度で、その先端はやや尖らしてあり、折板の孔明け作業を容易にしています。
タイトフレームの形状寸法は、折板の形状寸法に見合ったものが必要で、その結果現在は多くの種類が作られ、販売されています。

たたみ馳 (たたみはぜ)

たたみはぜは、図のように折り曲げ加工した役物部材をいいます。
この名称以外に「稲妻折り」、「ダブルはぜ」とか「二重はぜ」などの呼び方があります。たたみはぜは、隅谷や心木あり瓦棒葺き、とりわけ銅板で葺くときの溝板のエキスパンションを兼ねた継手に使われます。

竪樋 (たてどい)

屋根の雨水排水用の樋で、軒樋と並んで樋の構成上最も重要なものである。 竪樋は軒樋で集めた雨水を直下階の屋根または地上に導く機能がある。
種類は大別してその断面が円形のものを丸竪樋といい、四角形断面のも のを角竪樋としている。また筒にせず鎖を用いることもあるが、これも竪樋の一種である。
竪樋は鉄板や銅板などの金属板か硬質塩化ビニル樹脂で作られている。丸か角かの使い分けは、建物のデゲィンに準ずるので、可否の差はない。
断面の大きさは、排水する雨量もしくは軒樋の大きさによって決められる。とりわけ、最近の竪樋の大部分は既成品であるが、この場合は軒樋によって自動的に決められるようセット化されている。
竪樋の項部は、呼び樋、集水器もしくは軒樋が接続する。下部は排水溝や排水の会所に導かれる。
竪樋を設ける場合は、あまり折れ曲がらぬようにすることが大切で多くの箇所を曲げると、それだけ竪樋の排水能力を低下させる。
また取り付け通常「デンデン 」と称する竪樋用取付金物で取り付けるが、塩ビ製の場合はよいが、金属板製の場合には、樋の下がり止めを付けることが大切である。
なお寒冷地では、竪樋内の雨水が凍結し、そのため竪樋が破裂することがあるので、そのような場合は竪樋を室内か、壁体内に設けるなどの方策を講ずる必要がある。

谷樋 (たにどい)

2面の屋根の聞に設けられる樋で、両屋根の雨水を集めて竪樋に導く機能を持っている。しかし、谷どいも細かく分けて見ると3種類程度になると思われる。

(ⅰ)大型の非住宅の屋根が連続している場合の間に設ける谷どい。最も大型の谷どいとなり通常谷樋といえばこのケースをイメージすることが多い。

(ⅱ)通称「隅谷」といわれる谷どいで、原則的には屋板ふき材と同一面に設ける。従ってあまり大型の屋根の場合や,多雪地域では排水能力に限りがあるので、このような場合は(ⅰ)のような工法を考えることが必要となる。
なお、瓦業界では隅谷は、屋根が外壁と接する部分に隠していわゆる捨谷を設けるが、その捨谷のことを隅谷と称することがある。

(ⅲ)厳密には谷樋ではなく、むしろ軒樋であろうが、大型の建物で軒樋を建物内に設けるととがある。この場合の樋の工法は、(ⅰ)の谷樋と同様となる。

図に(ⅰ)~ (ⅲ)の谷どいの例を掲げる。

(ⅰ)の場合は、谷樋の底幅が非常に大きく300mmから1,000mmを超えるものまである。谷樋の材料は塩ビ鋼板やステンレス鋼板など用いられるが、やはり耐酸被覆鋼板が最も多い。

(ⅱ)の谷樋は、通常屋根材と同じ板を用いる。
ただし板厚は屋根材より1ランク上位のものを用いることが通例となっている。

(ⅲ)の図は多雪地域の例を示しているが、工法的には(ⅰ)と大差ない。
谷樋は屋根よりも塵芥や雨水が溜りやすいので、何よりもその耐久、耐食性が求められる。

また工法的には長い板で作ることが多いので、鋼板の場合1本の長さは10m以下程度とし、温度伸縮を確実に吸収できるエキスパンションを設ける。

稚児棟 (ちごむね)

和風建築の入母屋屋恨で、四隅にある隅棟を上方から下方に向かって設けたとき、その途中を軒先の手前で切り、段差をつけ、さらに軒先に向かって設ける隅棟を稚児棟といいます。
通常の場合、鬼板(鬼瓦)は1筋の隅棟に2個付くことになります。このとき、稚児棟の先端に付く鬼を一の鬼といい、その上につく鬼を二の鬼といいます。

釣り打ち (つりうち)

軒樋の受金物の取り付け方・または取り付け方向から名付けられた軒樋受金物の種類の一つです。形は図のようなもので、軒樋の位置よりやや高いところで金物が取り付けられ、ちょうど樋を釣る形で付けられるためこの名称が付いています。

吊子 (つりこ)

吊子は屋根材、壁材や役物の下地への固定に用いる部品です。従って当然のことながら相応する強度が要求されます。
もちろん吊子は、取り付ける部材の形状寸法に適したものが必要となります。
例えば一文字葺きや役物に用いる吊子は屋根板や役物板と同じ板を、幅30mm 、長さ100mm 弱の小片板で用います。
また心木なし瓦棒葺きはハット形の短い吊子か、長い通し吊子となります。
馳締め形折板の吊子は、厚さ1.0mm程度の板をプレス加工して作られます。なお折板の吊子は特に固定金具と呼ばれています。
吊子は一端を屋根、壁材や役物の馳に引っ掛け、他端は下地に釘、ボルトなどで止められます。屋根材の場合の吊子の強さは、主に風による吸引力(負荷重といいます)に十分耐えなければなりません。
一文字葺きの場合は、1個当たりの強さを上げることは工法上不可能なので、その場合は単位面積当たりの吊子の数を増やして対応します。
また折板の場合は、折板に加わる予想最大荷重を基に形状寸法や仕様が決定されます。

ドーマー

屋根の斜面に屋根裏の採光や、換気をするために設けられる屋根窓のことを正確にはドーマーウインドウといい、通称、単にドーマーといいます。左図のように設置されたものがドーマーウインドウです。このように窓の上には小さい三角形の屋根が必要となります。図の屋根は切妻屋根なので「切妻ドーマー」といい、屋根が片流れの場合は「片流れドーマー」と、陸屋根は「陸屋根ドーマー」と称されます。
右図のドーマーは屋根面より引っ込んでいるもので「隠れドーマー」といいます。ドーマーは、最近の住宅の屋根によく見かけられます。

巴 (ともえ)

巴は元来水の流れに生ずる渦巻きを呼ぶ言葉ですが、我国では渦巻きを文様化して用いています。例えば靹や矢を入れる道具に描かれたり、太鼓の皮に描かれたりして親しまれています。巴には、一つ巴、二つ巴、三つ巴があって、さらにそれらの各に左右があり、合計6通りがあります。図はーつ巴、二つ巴、三つ巴のうちの四種類を表わしています。
ところで巴と屋根の関係は、軒先に用いる丸瓦の先端部に巴文様をよく用いるので、いつの間にか巴瓦と呼ぶようになりました。
板金業界でも、本瓦棒葺きの軒先や、円筒形の屋根材の軒先に巴と呼ぶ役物があります。

しかし、これらは既に巴本来の意味はほとんど消えた形をしています。
いずれにしても渦巻きと屋根、どちらも水に関係していて面白いと思われます。

とんぼ

とんぼは板金工事ではほとんど見掛けません。屋根工事では瓦葺き工事でよく見られるものです。
瓦が地震や強風のため剥れたり、ずり落ちないように瓦と下地とを緊結する機能をもっています。

通常径O.9mm程度の銅線を、亜鉛めっき釘かステンレス釘に巻き付けたものです。図のような形です。この止め方の欠点としては、瓦葺きに用いる南蛮漆喰によって銅線が腐食しやすいこと。また棟の補強に用いた場合、瓦に加わる振動のため棟が蛇行して崩壊することがあります。