金属の屋根と外壁を知る

屋根と外壁の素材

以前は、金属屋根の素材といえばトタン板か銅板でした。いまは新しい素材がたくさん開発されています。基盤となる金属板の材質と表面処理のめっき、塗料の組み合わせで様々な種類があります。
建物の用途、建築場所(海岸地域、工業地域、商業地域、住宅街…)、メンテナンスの容易性などにより、基材となる材質や表面処理のめっき、塗料を組み合わせて屋根材を決めることが必要です。

それでは、どのような素材があるのか、それぞれについて見てみましょう。

素材  スチール(鉄)
 ステンレス オーステナイト系
(クロムとニッケル含有)
フェライト系(クロム含有)
 アルミニウム合金
 亜鉛合金
 銅
 チタニウム

塗装鋼板の構成図(例)

め っ き
種  類 概  要
溶融亜鉛めっき 亜鉛が犠牲溶解して酸化亜鉛となり、鉄の腐食を防ぐ働きを利用しています。鋼板類のめっきの基本となるものです。
溶融亜鉛-5%アルミニウム合金めっき めっき層の中に5%のアルミを含み、溶融亜鉛めっきの3倍程度の耐食性があります。また、加工性も溶融亜鉛めっき鋼板より優れています。
溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき めっき層に重量比で55%(容積比で80%)のアルミを含み、溶融亜鉛めっきに比べ3~6倍の耐食性、6~8倍の耐酸性を有するほか、高い熱反射性を示します。
溶融アルミニウムめっき ほぼ100%のアルミめっきを施すことで耐高温性と耐酸性、熱反射性に優れています。耐熱用と耐候用の製品があり、耐候用はめっき層が厚くなっています。
塗    膜
種  類 概  要
ポリエステル樹脂 外装用金属板の塗料としては、最も使用されています。高耐候性ポリエステル樹脂系塗料の耐候性は、シリコンポリエステルに近づいています。
シリコンポリエステル樹脂 シリコンを30%程度含有させ、耐候性を向上させています。輸出品に多く使用されていましたが、現在では生産量は激減しています。
フッ素樹脂 現在使用されている塗料の中では、耐食性、変退色性などで最も優れた性能を有しています。滑雪性も優れています。しかし、高コストになります。
ポリ塩化ビニル被覆 ラミネートタイプと塗装品の二つのタイプがあります。塗膜を厚くすることが可能で、エンボス加工やプリント加工などにより意匠性も期待できる。
耐酸被覆 厚膜で、耐アルカリ・塩水性に優れるほか、熱・電気などの絶縁性が大きい点に特徴があります。無機繊維と合成樹脂のものと合成樹脂のみの製品がある。

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