金属屋根の性能を確保するために、設計・施工に際して下記の事項にご留意くださるようお願い申し上げます。
金属屋根には工法により最低勾配が決められております。最低勾配以下での使用は、室内へ雨水が浸入する恐れがありますので、避けてください。万一、最低勾配以下で使用する場合は、仕様等につきまして業者にご相談ください。
多雪地域、強風地域での使用に際しては、仕様等について業者とご相談ください。
塩害・亜硫酸ガス等の影響により金属板の劣化が懸念される環境では、金属板の選択には注意が必要です。金属板の選択に際しては業者にご相談ください。
谷については、捨て板の使用、下葺き材の増し張り等の対策をお取りください。雨押さえの立上がり寸法は、120㎜以上確保してください。
屋根形状・仕様等を考慮した下葺き材を使用してください。
とい特に谷どいの排水量については十分ご検討ください。ごみ、落ち葉等が多い場所では、といの詰りを防ぐ方策をお取りください。
異なった金属同士が接触すると一方の金属が腐食することがあります。仕様等にご注意いただくとともに、接触する場合は防護措置をお取りください。
雪止め金具を設置する場合は、屋根工事と同時に取り付けてください。屋根完成後の取付は、雨水の浸入の恐れがあります。
下地に不具合が生じた場合は、手直しを実施してください。
金属屋根の標準的な構法(「鋼板製屋根構法標準」・メーカーの標準仕様等)による防水性能は、過去の降雨量を前提としております。
屋根面からの雨水の浸入は、風の影響も無視できません。金属屋根の耐風性能は、荷重条件に対応して、屋根仕様を変更することで確保できるシステムになっております。強風地域での仕様決定に際しては、特にご留意ください。
金属屋根も他の屋根葺き材と同様に、風圧力などの条件によって屋根材裏面への多少の雨水の浸入は避けられない場合があります。浸入した雨水が、速やかに排出されるような仕様としてください。