銅屋根クロニクル

No.1

すべての瓦を下ろした正倉院正倉

(2/5) ルーフネット 森田喜晴

世界文化遺産・正倉院

本国のお宝中のお宝が収蔵されている正倉院正倉。普段私たちが「正倉院」といっているのは寄棟本瓦葺きで檜を用いた高床式校倉造りの建物。正面約33.1メートル、奥行約9.3メートル、床下の柱の高さ約2.5メートルの規模で、奈良県奈良市の東大寺大仏殿の北西に位置する、高床の大規模な校倉造(あぜくらづくり)倉庫で、校倉造、屋根は寄棟造、瓦葺堂々たる建物です。そのことを直接記録した資料がないので建立時期は不明ですが、光明皇后が夫聖武天皇の遺愛の品を大仏に奉献した756年(天平勝宝8)前後と考えられており、759年(天平宝字3年)以降、宝物出納の記録が残っていることから、この年までに建立されていたことがわかります。 中には聖武天皇・光明皇后ゆかりの品をはじめとする、天平時代を中心とする美術工芸品が収蔵されており、「古都奈良の文化財」の「東大寺」の一部としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。

厳しいチェックのあと正倉院現場入口へ。

厳しいチェックのあと正倉院現場入口へ。

2010年8月31日に正倉院を管理する宮内庁は、1世紀ぶりに正倉院の施設整備工事を行うことを目指し、平成23年度予算の概算要求で工事費として3億6,000万円を盛り込みました。施設整備工事は平成23年~平成26年の予定で進んでおり、実際の改修工事は2011年9月1日より始まり、現在拝観停止となっています。

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