No.98
(1/1) ルーフネット 森田喜晴
明治学院の起源は1863年にジェームス・カーティス・ヘボンが横浜に開いた「ヘボン塾」で、のちに男子部は明治学院、女子部はフェリス女学院となる。ヘボン塾は1880年に築地へと移転し、「築地大学校」と改称。さらに1883年には横浜の先志学校を併合して「一致英和学校」と改称された。
東京を代表する高級住宅地である港区白金台の1丁目、緑に囲まれゆったりと広がる白金キャンパス構内には明治から大正にかけて建築された銅屋根の美しい3棟の建物が残されている。いずれも「特に景観上重要な歴史的建造物等」として東京都文化財に指定されている。
中でも礼拝堂は、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計によるもので、ヴォーリズ自身もここで結婚式を挙げている。その他、日本最古の宣教師館とされるインブリー館、神学部の校舎と学院の図書館だった明治学院記念館があり、近代建築好きには必見の場所である。入口の守衛室で記名すれば自由に見学ができるのもうれしい。
チャペル(礼拝堂)
W.Mヴォーリズの設計で、1916(大正5)年に落成し、後に両袖を拡張した。煉瓦造、一部鉄筋コンクリート造、2階建 延床面積553.61平方メートル。設置されたパイプオルガンが有名で、2006
(平成18)年から実施された耐震修復工事にあわせ、オランダ人のヘンク・ファン=エーケンにオルガン制作を依頼した。オルガンの黄金時代だった17~18世紀の工法を全て再現したもので「バッハの時代の音色」を求めたこの工法で作られた20世紀以降のオルガンとしては世界で4台目、日本で最初のオルガンという(同学院HPに詳細)。
チャペル(礼拝堂)
インプリー館
インブリー館
1889(明治22)年頃に建てられた、宣教師・ウィリアム・インブリ一博士の住まいで、現存する宣教師館の中では都内で最古の歴史をもつ貴重な建物。1995 (平成7)年から2年間かけ、もとの材料を活かして修復工事が行われた。 1階に小チャペルと2階に会議室などがある。木造二階建て。屋根は銅板一文字葺。延床面積301.30平方メートル。
明治学院記念館
1890(明治23) 年に建てられたネオゴシック様式の建物で、1階の小チャペルは、静かな黙想の場となっている。19世紀につくられた珍しい足鍵盤付きリードオルガンが置かれており、大正時代の音が今も響いている。設計は宣教師でもあったH.Mランディスと推定されている。煉瓦造、一部木造の二階建て。屋根は銅板一文字葺。延床面積516.09平方メートル。
明治学院記念館
3号館
3号館
半円形の3号館教室棟。500人が収容できる大教室がある。授業はもちろん、白金祭などのイベント会場としても使用される。ガンダム風の銅屋根も美しい。
アクセス:東京メトロ南北線 / 都営地下鉄三田線白金台駅から徒歩約7分。
都営地下鉄浅草線 高輪台駅から徒歩約7分。