銅屋根クロニクル

No.80

怪力の神と学問の神を祀る
湯島天満宮[湯島天神](東京都)

(1/1) ルーフネット 森田喜晴

学問の神様、泉鏡花の「婦系図」、湯島の白梅、富くじ、鷽替(うそかえ)などで有名だが、現在では梅の名所としてひときわ人気が高い。創建は458年。菅原道真を勧請したのは文和4年(1355)である。以来多くの学者、文人に崇敬されている。現在の社殿は平成七年に樹齢250年以上の木曽檜を使用した総檜造りで造営された。建築様式は、拝殿と本殿が幣殿で結ばれた権現造り。防火地域で新たな木造建築は難しいが、厳しい審査を経て建設大臣第1号として許可されたという。

湯島天神は 雄略天皇2年(458)の勅命により創建、祭神は天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)を祀ったのがはじまりで、天之手力雄命はその名の通り力持ちの神様だ。天の岩屋の扉をこじ開けた怪力の持ち主でもある。天正18年(1590)徳川家康の江戸城入城後、湯島に朱印地を寄進、徳川綱吉が湯島聖堂を昌平坂に移してのち、一層文教の中心として、いよいよ湯島天満宮は栄えた。

元禄16年(1703)の火災により全焼したが、宝永元年(1704)将軍綱吉は金五百両を寄進し再建されている。しかし、明治18年に改築された社殿も老朽化が進み、平成7年12月、現在の総檜造りで造営された。

湯島天神

平成7年12月、現在の総檜造りで造営された。

本殿を見通す表鳥居には寛文7年(1667)の刻銘があり、都内に遺存するもっとも古い銅製の鋳造鳥居。

本殿を見通す表鳥居には寛文7年(1667)の刻銘があり、都内に遺存するもっとも古い銅製の鋳造鳥居。
昭和45年8月に東京都指定有形文化財に指定された。横木が二重になり、笠木の末端が反りあがり、柱が内側に傾いている神明鳥居。(横木の上の方を笠木、下の方を島木という)。
大きさは、柱の下から上端についた台輪までの長さが3.88m、笠木上端の長さが6.81m。

感染症に関する対応として、牛も撫でてもらえず流水でのお清めになっている。

新型コロナウイルス感染症に関する対応として、牛も撫でてもらえず、手水舎の柄杓は撤去、流水でのお清めになっている。

鷽替え(うそかえ)とは、主に菅原道真を祭神とする神社(天満宮)において行われる特殊神事である。鷽(ウソ)が嘘(うそ)に通じることから、前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、当年は吉となることを念じて行われる。大ウソ700円、小ウソ500円。

鷽替え(うそかえ)

うそ鳥は、スズメ科の鳥で、太宰府天満宮で菅原道真が蜂に襲われた時に、ウソの大群が飛んできて助かった、といった伝承が、全国各地の天満宮に伝わっている。東京では初天神祭の1月25日に行われるところが多い。

アクセス
東京メトロ千代田線 湯島駅 徒歩2分

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