No.41

名君 青山忠良が寄進したのは丹波篠山 花の舞台
春日神社(兵庫県)

(1/1) ルーフネット 森田喜晴

 「春日」を社名に持ち春日神を祭神とする神社は、全国に約1,000社あり、奈良県奈良市の春日大社を総本社とする。今回の春日神社(かすがじんじゃ) は、 兵庫県篠山市黒岡75にある神社。奈良の春日大社から分霊された。地元では「おかすがさん」と呼ばれる氏神で、能楽殿では元旦の翁、春の春日能が演じられる。また秋の祭礼(10月第3土・日) では、笛や鐘の囃子を響かせながら古い町並みを練り歩く4基の神輿、華麗な飾り付けを施された9基の山鉾巡行は京都の祇園祭よりも情緒あるものとして知られている。

春日神社の創建は貞観18年(876)、当時の領主 藤原基経、藤原時平の父子が藤原氏の氏神である春日大社の分霊を勧請したのが始まり。祭神は祭神:武甕槌、 経津主、比売大神(天照大神)。当初、現在の篠山(篠山城)に鎮座していたが慶長14年(1609)、 新たに篠山城が築城することになり現在地に遷座した。歴代篠山城主から庇護され、文久元年(1861)には13代藩主青山忠良によって現在の能舞台が寄進された。

拝殿の屋根は、銅板葺、平入、正面1 間向拝付。

拝殿の屋根は、銅板葺、平入、正面1間向拝付。

春日神社(兵庫県)

本殿は三間社流造、銅板葺。拝殿は入母屋。

木鼻の龍のヒゲが細い胴板であるのは職人の遊び心か。

木鼻の龍のヒゲが細い胴板であるのは職人の遊び心か。

能舞台は入母屋、桟瓦葺、桁行5.9m、梁間5.9m。楽屋、鏡の間は切妻、桟瓦葺、桁行8.9m、梁間7.6m。橋掛は両下造、桟瓦葺、桁行9.8m、 梁間2.7m。

建築に関しては詳細な記録があり、棟梁は稲山嘉七、永井理兵衛、舞台背景画は 松岡曾右衛門によって描かれた。この春日神社能舞台は規模や意匠、舞台設備、構造などに優れているだけでなく建築年や棟梁、絵師が明確なことから資料的な価値も非常に高く、平成15年(2003)に国指定重要文化財に指定された。神輿が4基あるのは春日神社の4祭神にちなんだもので、4祭神とは天児屋根命(あまのこやねのみこと)、武甕槌命(たけみかつちのみこと)と経津主命(ふつぬしのみこと)比売神(ひめのおおかみ)である。篠山藩主13代藩主青山忠良によって江戸時代末期である1861年(文久元年)に建てられた能舞台。忠良は、能楽愛好家としても知られ奉納したものである。当時、箱根以西において最も立派なものであると称えられた。床板を踏む音を反響させるため、床下には大甕が伏せられているが、その完璧さは全国の能舞台中でも屈指といわれる。