銅屋根クロニクル

No.4

中之島公会堂(大阪)

(1/1) ルーフネット 森田喜晴

中之島公会堂(大阪)

「銅屋根クロニクル」第4回目は、中之島公会堂(大阪)です。
大阪市中央公会堂は1911(明治44)年に大阪・北浜の株仲買人だった岩本栄之助氏から公会堂のために寄付された100万円をもとに建設された。大正7年に完成したネオ・ルネッサンス様式の建築で、大阪城と並んで大阪を代表するシンボル的存在である。

壮麗で優美なデザイン

赤れんがの外壁や丸みを帯びた屋根や柱など、壮麗で優美なデザインに特徴があり、隣には日本銀行、中央図書館の美しい建物が並ぶ。この一角を川から見上げれば、まるでパリのシテ島かサンルイ島の街並みだ。

1988(昭和63)年に永久保存が決定され1999年春から3年半の保存・復元工事が終わり、2002(平成14)年12月26日に国の重要文化財に指定された。
平面規模は、間口43.6メートル、奥行き61.8メートルで、建築面積2164.17平方メートル、鉄骨煉瓦造、地上3階、地下1階建。
耐震性能強化のため基礎下の新たな構造体と上部構造の補強に よって免震レトロフィットを実施。

外壁には花崗岩、屋根は銅板葺きで一部を天然スレート葺き。側面と四隅に屋根窓を配している。銅板屋根はライトアップで翡翠のような輝きを見せる。
コンペで選ばれた岡田信一郎の設計原案をもとにして辰野金吾や片岡安らが関わって設計された。
屋根の緑青銅板は板厚0.4㎜で瓦棒葺/平葺。

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