折板は、断面の構造に重点を置いて開発されたもので、大型、長尺屋根に調和する意匠性、強度、経済性を備える金属屋根の代表的な屋根工法です。
折板は梁・母屋に直接屋根材を葺くことができますので、野地板がいらず、工期の短縮にも対応でき、強風地帯においても強靭性を発揮するとともに、雨仕舞にも高いな性能が期待できます。
板厚0.6~1.2ミリの鋼板を用いて、山高を大きく成型します。3m~7m程度の間隔の梁の上にタイトフレ-ムを取り付け、その上に直接固定する工法です。
ジョイント方式により(1)はぜ締めタイプ(2)重ねタイプ(3)嵌合タイプがあります。
さらに、断熱材を間にはさんだ(4)二重葺きタイプや、(5)わん曲加工することができます。工場、倉庫、体育館など規模の大きな建物の屋根に多く使用されます。
折板-(1)はぜ締めタイプ
タイトフレ-ム(梁の上に溶接で固定)の上に取り付けた緊定金具を2枚の金属屋根材の端部で挟み、電動シ-マ-(締め機)で巻き込んで締めますので防水性に優れています。屋根葺き施工が屋根上からだけで行えることと、ボルトが不要になったためコストが下がり経済的な工法です。
折板-(2)重ねタイプ
タイトフレ-ムの上に取り付けた緊定ボルトに2枚の金属屋根材を重ねて取り付け、ナットで締め付ける方式です。特に断面の強度に優れ、強風地帯においても強靭性を発揮します。
折板-(3)嵌合タイプ
金属屋根材2枚を吊子(固定金具)でタイトフレ-ムに止め、継ぎ目の上からキャップ をはめ込む工法で、屋根面にボルトが全く出ず、美観上もスッキリした屋根です。
折板-(4)二重葺きタイプ
快適な居住環境を得るため、室内温度の変化を防ぎ、外部の騒音を遮断する性能を実現したのが二重葺きタイプです。金属屋根材を二重にし、その間に断熱材(グラスウ-ル)をサンドイッチした工法です。
折板-(5)わん曲加工
軒先を曲げ加工して、風雨の吹き込み防止、積雪・つららの自然落下を誘導して、軒先や外壁を保護します。屋根全体が流れ方向にアーチを描く場合は、アール加工をします。いずれも曲線を付けることで、意匠的にも優れた効果が得られます。