たかまつミライエ(香川県高松市)

地元では「笠間の三連砲」と言われている(かもしれない)緑青の見事な拝殿の屋根。優美な蓑甲(みのこう)の砲台に据えられた砲身のような鳥衾(とりぶすま)。それを先端でしっかり支えるのは、頭を垂れる稲穂の社紋が彫られた鬼板である。こんな「大砲」が3門連なる不思議な構図だ。

茨城県・笠間稲荷神社は霊験あらたかな日本三大稲荷のひとつとして広く親しまれ、多くの参拝者が全国より訪れる。 祭神の宇迦之御魂神は須佐之男命( すさのおのみこと) と神大市比売神(かむおおいちひめのかみ)の間の子とされ、生命の根源を司る「いのち」の根の神として農業、工業、商業、水産業など、全ての殖産興業の守護神として人々の生活すべてにわたって徳を授ける神とされる。

拝殿の脇を抜けると奥の国宝・重要文化財の本殿がひっそり建っている。江戸時代の末期安政・万延年間(1854~1860)に再建された本殿は、総欅の権現造で、昭和63年、国重要文化財に指定された。その壁面は、名匠と言われた後藤縫之助による「三頭八方睨みの龍」「牡丹唐獅子」、さらに弥勒寺音八と諸貫万五郎の作「蘭亭曲水の図」等の精巧を極めた浮彫によって飾られている。

レリーフの見事さに暫し見入ってしまった後、再び本殿の東をすり抜て拝殿の正面に戻ろうとした。ところが途中の段差でつまずきそうになり、振り返って見上げると、思わず「オオッ!」と声をあげる。それが、この三連砲である。

● アクセス JR水戸線笠間駅から徒歩約20分(約2km)。
北関東自動車道友部ICから約15分、笠間西ICから約20分(約10km)。常磐自動車道水戸IC から約25分。
● 写真・文 佐藤孝一
(JWHA 日本防水の歴史研究会)